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木のまち・木のいえ リレーフォーラム・大会

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これまでの開催状況

木のまち・木のいえリレーフォーラム イン 高知
~84%の日本一森林率を誇る高知からいま、始まる~

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主催者 一般社団法人 高知県中小建築業協会
開催日 2011/01/21
開催時間 第1部 13:30~17:00  第2部 17:15~19:30
会場 高新RKCホール
開催目的 より多くの木材を活用するための「循環・地域型木造建築」への迅速な取り組みを促す啓発的シンポジュウム。
山(林業)と、まち(建築業)に間の問題点を共有し率直な意見交換により、双方の協力・循環関係を原点から考え直し、今後山とまちが共存するための方向や目的を探ります。
入場料 第1部 無料  第2部 \4,000-
共催団体 高知県森林組合連合会、一般社団法人 木を活かす建築推進協議会
後援団体 林野庁、国土交通省、(財)日本住宅・木材技術センター、木のまち・木のいえ推進フォーラム、高知県、高知市、(社)高知県建築士会、(社)高知県建築設計監理協会、(社)高知県木材協会、(株)高知新聞社、(株)高知放送
出席幹事 青木宏之 幹事

開催内容<プログラム内容>

●第1部 (参加無料)   総合司会: 塩田 正興(木と人出会い館 館長)
13:00  開場
13:30  開会宣言
       主催者挨拶  立道和男 (()高知県中小建築業協会 会長)
13:35  高知県の取組 : 「高知県の熱い思い」   尾﨑 正直 (高知県 知事)
13:55  基調講演1: 「なぜ、いま木の建築なのか」
        有馬 孝禮 (宮崎県木材技術センター所長、東京大学名誉教授、木のまち・木のいえ推進フォーラム代表)
14:25  基調講演2: 「地域工務店に必要なもの」
        青木 宏之 (()全国中小建築工事業団体連合会 会長、木のまち・木のいえ推進フォーラム 幹事)

  【 14:55~15:05 休憩 】

15:05  ミニ講演1: 「木造住宅・木造建築物の振興について」 宮脇 慈 (国土交通省住宅局木造住宅振興室 係長)
15:20  ミニ講演2: 「木材自給率50%以上に向けて」 木下 仁 (林野庁林政部木材産業課 課長補佐) 
15:40 パネルディスカッション   テーマ「山とまちの共存と発展に向けて」
       コーディネーター : 金川 靖 (高知大学 名誉教授)
       パネリスト     : 有馬 孝禮 (前出)
                   
青木 宏之 (前出)
                   
西村 寿勝 (梼原町森林組合 販売部長)
                   
益岡 良博 (㈱益岡工務店 代表取締役)
17:00  終了

●第2部 (有料) 高知会館
17:30  意見交換懇親会
19:30  終了

実施報告

●開会宣言 / (社)高知県中小建築業協会会長 立道和男
 「 山もまちも思いは同じ 」 の視点より互いの歩み寄りを促すべくフォーラム開催のきっかけを引用し、開会宣言を行った。
 
●高知県の取組 「高知県の熱い思い 」 / 高知県知事 尾﨑正直
 従来、高知県において川下対策を考える際に《 農林水産業 → 林業 → 木材産業 → 川下へ 》といった高知県成長戦略に沿った形での図式が出来あがっていた。しかし今回のフォーラムをきっかけに、林産業と住宅産業が枠組を一つに取りまとめることにより、川下における大きな出口の確保および山に対して新たな形での協働体制を持ち得るはずである。 その効果として、県産木材の地消、所得の向上、雇用の創出を見込む。 現在、高知県では県産材地消への取組として、「木の香るまちづくり推進事業」や 「こうち安心木の住まいづくり助成事業」 を推し進めており、木の良さの普及啓発・利用を促してはいるものの、原木ベースで算定するとおよそ15%の使用に留まっている。 とは言っても住宅着工戸数が減少しても戸建木造住宅の人気は根強く、県民の木の住まいに対する熱意が感じられる。 しかしながら、その木造住宅建築において県産材の使用はかなり低い割合に留まっている。 仮に平成21年度建築されたすべての戸建木造住宅に県産材が使用されれば、およそ3万m3近い県産木材が消費されたことになる。 これからの高知県においては、戸建木造住宅でより多くの県産材を使用するためには林業の「山」 と住宅産業の 「まち」 が自らの課題・お互いの課題を解決し、県産木材の地産地消と住宅投資の県内波及を目指すべきところである。  山とまちが互いに連携・努力を重ね、県産材を活用した住宅を増やすこと、県内住宅産業の振興を促すこと、および林業の振興と森林の再生を行うことを実現して高知県の内需拡大と産業振興を図り、高知県産材を使った県民の手に入れやすい適正価格の良質な住宅の供給を目指していきたい。

●基調講演1  「なぜ、いま木の建築なのか」有馬孝禮氏 (宮崎県木材利用技術センター所長、東京大学名誉教授、木のまち・木のいえ推進フォーラム代表)
 近い将来、底をつくであろう各種資源、そして化石燃料に対抗し得るエネルギーとして木が存在する。 木は、二酸化炭素を用い自らを炭素で形成し、副産物として人間に必要不可欠な酸素を供給している。 また建築物として活躍した後は、エネルギーとしても再活躍出来る優れものである。 木が太陽と水がある限り循環可能な資源であることの認識を高め、なぜ、いま木の建築なのか、ということにつなげて理解して欲しい。宮崎県では年間およそ150万m3の木材を搬出しているが、これは地産地消だけでは到底消化しきれない数量である。 そこで近隣県をはじめ遠く他県までもを相手に外商を行っているが、宮崎では地域消費者と外商先の消費者に対して分け隔てのない付き合いを出来る関係が成り立っている。 このような関係を持ち得る事を学んで、取り組みに役立てて欲しい。 今求められているのは、木の持つ本当の素晴らしさを的確に消費者に伝えることの出来る「知識と伝える能力」ではないであろうか。 ここに力を入れて取り組むことが、結局は木の建築普及に欠いてはならない重要な鍵と考える。

●基調講演2  「地域工務店に必要なもの」青木宏之氏 ((社)全国中小建築工事業団体連合会会長、木のまち・木のいえ推進フォーラム幹事)
 今、工務店や設計事務所が国の取組の方向性を知った上で、何を優先して取り組むかによってチャンスを掴む者とそうでない者に分かれて行くと思われる。 3年前に100%国産材の住宅建築は困難であるとの声が多い中、我々は敢えて取り組んだ。決して不可能ではなかったと言う結果は、すでに実証済みである。 住宅市場が80万戸/年を割り込んだ現在、今後の見通しも決して明るいとは言えないこの状況下においては当然の事ではあるが今までと同レベルの木造住宅建築を手掛けていては、木造自給率の増加も見込めない。 仕事量が減ると言うのであれば、1棟で使う増やす工夫も必要である。
 様々な研究と検証を重ねながら、山とまちが互いの知恵を持ち寄り、与えられた環境を最大限に活かすための取組が重要である。 工務店サポートセンターでは、現在、真壁造の省令準耐火木造建築を検証中であり、この取組が成功すれば、現在木造住宅に掛けられる建物火災保険料が大幅に削減できる。 また長期優良住宅適合認定においても型式認定を取得したので、今後は今まで以上に積極的な取組が可能となる。 今後の課題として、担い手育成への取組を現在検討中で早急な動きが必要と考えている。
 私自身も田舎の山の中の隙間風が吹き抜ける家で育った経験から、今求められる住宅と伝統的住宅の癒合したニーズに沿わせたプランを検討していくべきと考える。

●ミニ講演1  「木造住宅・木造建築物の振興について」宮脇慈氏 (国土交通省住宅局 木造住宅振興室係長)
・現在整備されている法における取組、また今後予定されている木のまち・木のいえに関する方向性の説明
・住宅産業への後方支援政策について、情報発信が地方の細部まで届いていないと言う現状を踏まえ、地域住宅産業団体等が情報を経由発信することにより普及促進が始まるという考え。

 上記内容を含み公共建築における木材利用促進、および住宅産業における国産材利用促進のきっかけとなるキーワードを会場に投げかける形でスライド画像を用いて説明。 フォーラム終了後の出口感想として、国交省からもっと多くの情報が欲しいとの声が多数聞かれた。

●ミニ講演2  「木造自給率50%以上に向けて」木下仁氏 (林野庁林政部 木材産業課課長補佐)
・森林・林業再生プラン・公共建築物木材利用促進法
・情報の具体的数値から読み取れる現状ならびに今後の方向性と流れ
・国産材利用促進へのヒントと事例

 上記取組への参考姿勢をスライド画像と共に説明。 現在の流れが国産材へと大きく動いているので、確固たる方向性を持った上で、林業・木材産業のみならず、まち側や行政が互いに協力する必要性を強調。 出口感想として「公共建築での利用数量の多さを知って、改めて取組意欲が湧いた」 などの声が聞かれた。

●パネルディスカッション  「山とまちの共存と発展に向けて」
   コーディネーター  金川靖氏 (高知大学名誉教授)
   パネリスト  有馬孝禮氏 (前出)、青木宏之氏 (前出)、西村寿勝氏 (梼原町森林組合販売部長)、
           益岡良博氏 (㈱益岡工務店代表取締役)  

(有馬孝禮氏)
 木材を使う側と使われる側の意識の確認が出来ていない。 使う側の意見として、施主の40%は国産材を使いたいと思っているが、国産材は高額である、という認識を持っている。 それに対して使われる側は、価格、性能、安定した品質および増築時の自由度等について、アピール出来ていないのではないか。 施主側に国産材は高額であると認識されている事がわかっていながら、外国産材と比較したコスト差について満足に説明できていないのではないだろうか。金額を明確にする事と、地域の特性を強くアピールする事が重要である。 また全国的に見て、建築に関わる際に木材について会話することがあまりに少ないと考える。地産地消体制・顔の見える体制・インターナショナル体制の中で、地産地消体制が一番遅れている。 顔の見える体制での失敗例として、山側の「木材を高値で売れるのではないか?」に対し、まち側の「安値で買えるのではないか?」というように相互間の情報不足にも問題がある。
 山側の意見である「木材納期の一時集中」に関しては、民間住宅での調整は無理なので、公共の建物では年間で割り振り調整を行えば良いのではないか。 基本設計の段階で、用途に応じた木材の計画は可能であるので、納期については重要な問題として検討しなければならない。
 
(青木宏之氏)
 木造住宅の棟数が減少したのなら、構造材のみでなく羽柄材・板材等を利用して一軒あたりの木材使用量を増やせば良いのではないか。 “地元の大工の建てた家は寒い”という様な事を言われるが、住宅メーカーが出来ない国産材の構造現わしで、昔ながらの建物をアピールすれば良いのではないか。
 3年前、先導モデルで国産材を使用して住宅500棟が建築された。 産直材を使用した住宅建築に取り組む県は増加しているようである。 現在、全建連としても、平成21年より羽柄材共100%国産材使用の住宅建築に取り組んでいるが、大きな問題も起こらず実施出来ている状況である。 全国的に見て、年間10~20棟を手掛けるクラスの工務店でも実施出来ると考えられる。

(西村寿勝氏)
 県産材については、高知県は日本一の森林率を誇っており、安価で良質な木材がある。 受注状況においては、納期が短い、納期が一時期に集中している、住宅1棟あたりの木材のサイズの種類が多い、在庫の保持が困難である、等の点が挙げられる。 納期の集中に関しては、年間を通して割り振りが出来ることが理想的である。 住宅に使用される木材のサイズ種類が統一出来れば、容易に在庫の保持も出来うると思う。
 
(益岡良博氏)
 かつて高知県も元気であった50年前を思い、今こそ林業・木材業の山側と工務店・設計事務所のまち側で協議をし、元気な高知県を取り戻す仕組が必要である。 高知県は所得が低いために建築費に苦心している人が多く、新築する人が他県に比べ少ないのが現状である。 現在100%県産材の住宅建築を手掛けられているのも、木材屋が方々から材を集めてくれている努力の賜物である。 公共事業により在庫を奪われ、納期が遅れてしまうこともある。
 山側の気持ちを思えば、50年間大切に育んだ木の1本1本を無駄にすることなく、適材適所に使いきりたい。 営業を行う際には、木の家の特徴である健康・快適さを視覚的なもので訴え、肌で感じ取ってもらえるような営業を心掛けている。 今は、木に対するイメージが昔と異なり、和室を必要とせず木の節にこだわらない若年層も増えているので、新しい木材の使用の型式を考えなければならない時代になっている。 山側は木材の規格化を提案しているが、木造にこだわる施主は個性ある材を要望することもある。 施主は木の家について高額のイメージを持っているが、実際のところは木材費用は建築工事費の10%程度であり、大手ハウスメーカーよりも最低でも10%は安く見積もれる。 外国産材が安価であると言われているが等級やグレードを無視した比較がなされているのが現状で、正確に説明するための知識が必要である。
 
(金川靖氏)
 今後も山側とまち側が協議する機会を持ち、県産材のアピール方法や価格を安定させる確たる方法を、地域の特性から見た木の性能と工学的根拠に基き創り上げて行かなければならない。 そして林業、木材産業、工務店、設計事務所に関連するすべてが潤う体制を整える取組が必要である。 今回のフォーラムは、様々な視点からの意見を身近に感じられ、参考になったのではないだろうか。
 
●参加者数  230名来場者

     内訳:   

       林業・木材産業関連   約40%
       工務店・設計事務所関連      約20%
       行政関連    約30%
       その他関係者等    約10%
 

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